流山で勇が西軍に捉えられたその夜、歳三は江戸に戻っている。 勇の助命嘆願に奔走するため、敵地とも言える江戸に敢えて潜入したのだ。 翌日、歳三はこの勝海舟邸を訪れている。
『慶応4年4月4日 土方歳三来る。流山顛末を言う』
勝の日記には、そう書かれている。 歳三の心中を察しながらこの地に立つと、何とも言えない悲しみと焦燥感を感じるのである。